NDTのバレ−とプリマバレリ−ナ・・・U(昭和28〜39年)
川戸美代子さんの時代
NDTのバレ−「大おどり」以外の公演・・・昭和28年〜31年
昭和年度 | 演題 | 主演 | 主な出演者 | 振付 | 音楽 | 曲名その他 |
28年(11/03〜08) | 「ジゼル」・「双曲線」 | ノラ・ケイ | 小牧バレ−団 | 小牧正英 | . | 午後7時から(昼の部J・A・T・P) |
↑ (05/05〜13) | 「スペイン狂想曲」5景 | 真田千鶴子 | NDT | 小牧正英 | 松本四郎 | リムスキ−・コルサコフ 「カプリチオ・エスパニヨル」全曲 |
29年(01/22〜02/01) | 「千一夜物語」1場 | 大熊・川地・中村 | NDT | 小牧正英 | 塚原哲夫 | リムスキ−・コルサコフ「シェラザード」全曲 |
↑ (06/08〜12) | 印度珍道中」11景 | フランキー堺 ペギー葉山 |
NDT(細山・福田・田中) | 三橋蓮子 | . | *昭和29年ペ−ジ参照 |
↑ (06/22〜28) | 「カルメンの恋」9景 | 小牧正英・関直人 太刀川瑠璃子 |
小牧バレ−団 NDT 清水秀男 |
小牧正英 | 塚原哲夫 | . |
↑ (08/25〜30) | 「火の鳥」ほか | ノラ・ケイ | 小牧バレ−団 | . | . | . |
↑ (09/30〜10/04) | 「白鳥の湖」4幕 | ノラ・ケイ | 小牧バレ−団 | . | . | . |
30年(01/21〜27) | 「白鳥の湖」4場 | . | 宝塚バレ−団・小牧バレ−団 | 小牧正英 | 塚原哲夫 | . |
31年(09/14夜のみ) | 「眠れる森の美女」3幕5場 | ソニア・アロア | 小牧正英バレ−団 | 小牧正英 | . | チャイコフスキ− |
NDTのバレ−「大おどり」の公演・・・昭和28年〜30年代
”やっちゃん”がNDTを観始めた昭和28年から昭和30年代日劇「三大おどり」の中でバレ−がどのような地位を占めて居たのかその中で活躍した団員はどんな方かに就いて調べて下表に纏めてみました。
注)
1:*印の公演は県洋二さんの振付の為純粋なバレ−とは云えません。
2:川戸美代子さんの相手男性は殆どが羽鳥雅一さんでした。
3:昭和34年「春のおどり」の「春の流れ」と「夏のおどり」の「グランパ・エスパニヨル」は同年末の「日劇ビック・パレード」でも再演されています。
4:昭和38年「春のおどり」の「琉球組曲-琉球バレ−」と「グランパ・ブリアン」には*舞台写真のAlbumの映像の他G8mm撮影した動画の映像があり、その映像からのFクリップ写真を製作したAlbumを夫々の別ペ−ジ用意しましたので併せて御覧下さい、NDTのバレ−が全盛期であった舞台の様子が再現されて居ます(会員のみ公開)。
5:昭和38年「秋のおどり」の「沖縄悲歌-琉球バレ−」はTV画像をG8mm撮影した動画が別ペ−ジに在ります(会員のみ公開)。
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昭和32年春「春のおどり」弟6景「森」の金須・大森さん | 昭和32年夏「沼のほとり」の川戸美代子さん | 昭和36年春「春の旋律」の林八重子さん |
上のニ表から次の様な事が指摘出来ると思います。
1:昭和28年から31年までの4年間は「大おどり」の景にバレ−シ−ンは少なく「日劇レビュ−史」等で確認出来たのは28年春・29年夏の二回に過ぎません、この原因は芯に成るプリマバレリ−ナの人材が不足とコ−ルドバレ−要員の不足に依るものと思われます、此れは日劇でもこの間「大おどり」の他の公演ではバレ−公演が行われていますが専門バレ−団(ex
小牧バレ−団・宝塚歌劇団等)の単独かNDTとの共演が多く公演されています。
2:昭和32年「春のおどり」と昭和33年「秋のおどり」では6期生の大森慶子さんが主演されましたがこの回二回限りでした。
3:昭和32年から30年代の「大おどり」には殆どその中の一景にバレ−シ−ンが織り込まれる様に成ります、これはプリマバレリ−ナとして10期生の川戸美代子さんとバレ−チ−ム
ポンポン・シックス登場、11・12期それに続くの優秀な若手が多数入団しコ−ルドバレ−の要員が確保された為です。
4:昭和32年夏10期生の川戸美代子さんが「沼のほとり」の沼の精で初めて主演されそれ以後退団された昭和39年春迄の満7年間昭和34年「白樺の秋」・35年夏の病気と36年春の海外公演の三回を除き総ての「大おどり」のバレ−シ−ンでNDTのプリマバレリ−ナとして活躍されています(昭和36年夏・37年春・秋は2景のバレシ−ン)、オリガ・サファイア夫人は昭和32年迄日劇の教師を務められて居た様子なので12期生位まで直接指導を受けられたと思います。
5:昭和32年「夏のおどり」にはこの春東宝芸能学校児童科生徒が鬼灯(ホウズキ)の精に扮してバレ-の初舞台を踏んでいます、当時東宝でもバレ―教育が盛んに行われて居た様子が伺えます。
6:昭和33年「春のおどり」にはその年2月の弟1回「日劇ウエスタン・カ−ニバル」が好評でその1景を入れた為客層の違いを考慮された為にクラシック・バレ−の景が割歪されたと思います。
7:川戸美代子さんが休演した2回(35年夏・36年春)の公演には何れも11期生の林八重子さんがプリマバレリ−ナとして活躍されています、林さんや11期の弟1次
ポンポン・シックス・12期の弟2次 ポンポン・シックスは当時のNDTバレ−チ−ムの主要なメンバ−です。
8:昭和37年「日劇春のおどり」の第12景「鼓」で川戸美代子さんは全身フリッテルのタイツ姿の衣装でソロを踊り日劇レビュ-賞を受賞しました。
9:昭和38年「秋のおどり」は日劇開場30周年記念公演でバレ-の景は特別に松山みき子氏振り付けの「恐山の一夜」が福田富子さん主演で、川戸美代子さんはNDTの伝統である沖縄舞踊(日劇では日本バレ−と云われていました)を踊って居ます。
10:30年代この時期のNDTのバレ−は昭和39年「グランドショ−’64」でバレ−団の競演が公演されて居ますが、これを観ても当時の都内の専門のバレ−団に引けを取らず寧ろその実力は高く評価されて居たと思います、又昭和30年代前半まで日劇で公演されて居た専門バレ−団の単独公演は皆無に成って居ます。
11:若いサラリ−マンで在った”やっちゃん”にとってバレ−専門の公演を観る経済的な余裕も習慣も無い時代にクラシックバレ−の一端を鑑賞出来たのは日劇-NDTのおかげでした、あの有名なチャイコフスキ-のバレー白鳥の湖の「四羽の白鳥」の踊り(第二次ポンポン・シックスのメンバ−より選出?)を観て感激したのもこの頃の事です(昭和35年夏のブルックリンの哀愁)。
'05/09/24 初版
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